事務所概要

　私がファイナンシャルプランナーを職業として意識したのは、2005年の秋です。

　この年の10月に新潟県中越地震が発生しました。私は報道記者として被災地であった旧山古志村（現長岡市古志）を中心に取材活動を行いました。人生で初めて目の当たりにした震度７の被害、言葉を失いました。

　被害に遭われた方に話を伺いました。「被災当日は、食べるものもなくて、皆で境内に集まり、１匹300万円の錦鯉を焼いて食べた。」「これからの生活？どうなるのかわからない。私たちにとっては闘牛と鯉が全てだったから。」地元を愛し、地元に生きていた人たちの話を聞くと、胸が締め付けられる思いがしました。

　同時に自分の無力さを感じました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　自分はテレビ局の社員だから、自分の持っている能力以上に周りが評価してくれているんだ。会社がなかったら、自分は何もできないんじゃないか、人の役に立てていないんじゃないか…

　そんな時、ファイナンシャルプランナーという仕事を知りました。

　ファイナンシャルプランナーは、一般的にお金のプロというイメージが強い職業です。しかし、扱うのはお金にとどまらず、「お客さまの人生」という、非常に大きくて重いものであり、それだけに責任感や使命感のある仕事だと認識しました。

　責任感や使命感だけで二十数年の人生を突っ走ってきた自分にとって、これこそが自分が目指すべき仕事だと直感しました。同時にこの道を極めれば、あの震災の時、涙を流して話してくださった人たちの役に立てるだろうと思いました。

　今までは事実をテレビというメディアを使って伝える仕事でしたが、これからはひとりひとりの方に時間をかけて向き合うことで、問題を解決したり、問題が起きないような準備をしていきたい。この道でプロになりたい。そしてひとりでも多くの人が、困らない世の中を作りたい。それが私がファイナンシャルプランナーになったきっかけです。

　震災から9年、いろいろまわり道をしましたが、やっとファイナンシャルプランナーとして開業することが出来ました。

　すべては、今でも私がメンターとして尊敬するテレビ局時代の上司、諸先輩方、そして困ったときに相談に乗ってくれた友人や家族の支えがあってのものです。本当にありがとうございます。

　皆さまの期待を裏切ることなく、そして「人生、良かったな」と思ってくださる人がひとりでも多くなるよう、ファイナンシャルプランナーとして活動して参ります。これからもよろしくお願い致します。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2014年9月

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　FP相談室 マネー＆キャリア　代表 大内 優